兄弟の溺愛に堕ちて
彼の周りには次々と人が集まり、笑い声と称賛が絶えない。

私はグラスを唇に運びながら、ほんの少しだけ寂しさを覚えた。

ここにいても、私はただの付き添い。

華やかな世界の中で、自分だけが取り残されている気がしてしまう。

その時——ふと、一真さんの視線がこちらを捉えた。

一瞬のことだったのに、心臓が強く跳ねる。

そして、彼はほんの少し口元を緩めた。

わずかに、けれど確かに私に向けられた微笑み。

それは他の誰にでも向ける愛想笑いとは違っていた。

そう思いたい、いや、そうに決まっている。

胸の奥が熱くなり、自然と頬が緩んでしまう。

たったそれだけのことで、心がこんなにも満たされるなんて。

——一真さん。

やっぱり私、あなたを……。

そして、不意に肩を叩かれた。

振り向いた瞬間、そこに立っていたのは蓮さんだった。

「よお!」

いつものように軽やかで、人懐っこい笑顔。
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