永遠の約束を交わそう
涙を拭いながら、少しだけ笑った。


「…それでもやっぱり、勇さんがいてくれてよかったです」


彼は目を細めて、小さく頷いた。


「俺も…美緒が生きててよかった」

 
防空壕の天井を、外の爆撃の残響が震わせた。
 

二人はしばらく黙って肩を寄せ合い、互いの存在で恐怖をやり過ごした。
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