永遠の約束を交わそう
低い声が耳に入る。

 
「…18班、いよいよ明日出撃だそうだ」
 

「18班って神谷のとこか。…惜しいな」

 
――ガタンッ!

 
次の瞬間、手から包帯や瓶がばらばらと床に散らばった。
 

乾いた音が廊下に響く。
 

息が止まったように胸が苦しくなり、肺に空気が入ってこない。
 

「……っ、は……」
 

視界が滲み、足元が揺れる。
 

頭の中でさっきの言葉が何度も反響する。


明日。


勇さんが。

 
信じたくなくて、理解したくなくて、心臓が暴れるように早鐘を打つ。
 

耳の奥で自分の鼓動だけが響き、周囲の声は遠く霞んでいった。

 
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