永遠の約束を交わそう

運命の日

空襲から数日が経ち、救護所の生活は少しだけ落ち着きを取り戻していた。

 
けれど、その静けさは逆に不気味で、次に何が起きるか分からない緊張が常に漂っていた。
 
 
 
 
その日、私は救護所の廊下を急ぎ足で歩いていた。


両腕には包帯の束や薬瓶を抱えている。


夏の湿気が籠もった建物の中は蒸し暑く、額には細かい汗がにじんでいた。

 
ちょうど食堂の前を通りかかったときだった。
 
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