永遠の約束を交わそう
『愛してた』


少ない時間の中でも、こんなに深く心を揺さぶる人がいることに、息が詰まるようだった。

 
便箋をめくれば、彼の覚悟と、未来を知らない中で抱きしめた想いの重さが伝わってくる。

 
その言葉が、過去と今をつなぐ唯一の証のように、私の胸に深く刻まれた。

 
涙が頬を伝い、手紙を胸に抱きしめる。


「勇さん…私も…ずっと覚えてる」


彼の言葉と自分の想いが重なり、二人だけの時間が再び胸に蘇る。



そして、ふわりと世界が揺れる感覚。
 

目を閉じたまま、波音の余韻と勇さんの笑顔を胸に刻んだ。
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