永遠の約束を交わそう
指先で文字をなぞるたびに、浜辺の波の音が耳に蘇る。


 
砂の感触、夜の湿った重い風、空に浮かぶ無数の星。

 
まるで昨日のことのように、全てが胸の奥で生き返る。

 
「勇さん…」
 

小さな声が自然と漏れ、涙が頬を伝った。
 

手紙を胸に抱きしめると、体中の力が抜け、しばらく動けなくなった。
 

まるで時間が止まったかのように、彼との記憶と想いが心の中で渦巻く。
 
 
 
 
< 67 / 83 >

この作品をシェア

pagetop