もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
カフェを出るとショッピングモールはすでにざわめきが少し減り、帰宅する人の流れが出来始めていた。

「すみません、ご馳走になってしまって」

さっと会計を済まされ、財布を取り出すがお金は受け取ってもらえなかった。

「いや。それよりも今日は……話せてよかったよ」

「こちらこそ」

それだけのやり取りなのに心の奥が妙に騒がしかった。
それじゃ、と彼は背を向け歩き出したが、なぜか私は歩き出せず彼の背中を見送った。

家に帰った後、イベントで購入したものを取り出しDVDを再生する。画面ではひかる君が私に笑顔を向けてくるが、ふと気がつくとその笑顔に課長の顔が浮かんできた。
(なんで……)
ひかるくんは私の支え…でもなぜ課長が頭の中に出てきてしまうの?ひかるくんとは別の感情が心を揺らす。でもそんな気持ちを自分で気がついてしまうのが少し怖かった。
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