もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
「花菱さん、この資料の確認を頼めるか」
「は、はい」
いつもと変わらない穏やかな口調。立場が変わっても、態度は変わらない。そのことに、少しだけ救われた気がした。けれど同時に、心臓が早鐘を打つ。自分の胸の奥でふくらんでいる気持ちに、気づかないふりをするのがだんだん難しくなってきていた。さっき、私とは遠い人なんだと気付かされたのに、今は普段通りの彼に頭の整理が追いつかない。
「昇進おめでとうございます」と言う声があちこちから聞こえてくるが、私は素直に口にできなかった。どうして昇進を喜べないのだろう、と情けなくなる。資料を受け取る手が少し震えてしまうが部長に気づかれることはなかった。愛想笑いを浮かべるとデスクに戻った。
なんだか部長がいつもと変わらない仕事ぶりのため、周囲のざわつきはあっという間に落ち付きを取り戻した。
今ざわついているのは私の心の中だけなのかもしれない。
「は、はい」
いつもと変わらない穏やかな口調。立場が変わっても、態度は変わらない。そのことに、少しだけ救われた気がした。けれど同時に、心臓が早鐘を打つ。自分の胸の奥でふくらんでいる気持ちに、気づかないふりをするのがだんだん難しくなってきていた。さっき、私とは遠い人なんだと気付かされたのに、今は普段通りの彼に頭の整理が追いつかない。
「昇進おめでとうございます」と言う声があちこちから聞こえてくるが、私は素直に口にできなかった。どうして昇進を喜べないのだろう、と情けなくなる。資料を受け取る手が少し震えてしまうが部長に気づかれることはなかった。愛想笑いを浮かべるとデスクに戻った。
なんだか部長がいつもと変わらない仕事ぶりのため、周囲のざわつきはあっという間に落ち付きを取り戻した。
今ざわついているのは私の心の中だけなのかもしれない。