もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
***
翌日、頭の中は部長のことが離れずもどかしい気持ちでいっぱいだった。だからといってどうしたらいいのかわからない。
仕事中なのに何度となくため息が出てしまう。
しっかりしなきゃ、と自分を鼓舞し資料のチェックに取り掛かった。
仕事を終え、エントランスを出ると、見慣れた背の高い影が待っていた。街灯の下でも端整な顔立ちが際立つ。
「ちょっとだけいいか?」
まさか部長が立っているなんて思いもせず、驚きすぎて声が出ない。思わず頷くと部長は歩き出し、近くの公園のベンチに座った。ここは夜でも明るくて人も多いので夜でも安心なところだ。
「……俺がどういう立場か、もう知ってるだろう」
私は頷く。
「はい」
「だけど、それは俺にとってはただの背景だ。大事なのは――」
彼が一瞬、歩みを止める。
「君を好きだと言うことだ」
胸が熱くなり、気付けば目には瞳に涙がにじんでいた。
「え? まさか」
言葉にならず、首を振る。
「迷惑か? 恋愛なんてもうしないって思っていたんだろう?」
部長は静かに私の心を見透かすように尋ねてきた。驚いて彼を見上げると、穏やかな笑みが返ってきた。
「俺だって、誰かにこんな気持ちを抱くなんて思ってなかった」
低い声が夜気に響く。
「でも、君だから、思えたんだ」
何も返せずにいると部長はポツリポツリと言葉を発する。
「君の真面目なところも素直なところも、そして何かに熱中できるところもいいと思う」
「できることが沢山あるのにそれを自慢するわけもなく裏方に徹する姿も君の美徳だよ。俺としてはもっと全面に出たらいいのにともどかしくなるぐらいだが」
部長のストレートな言葉が胸に響いてくる。顔を上げるといつもと変わらない笑顔を向け私を見つめてくれていた。
涙が頬をつたう。
(もう、恋なんていらないと思っていたのに……)
気づけば心は決まっていた。今までずっと考えてきた。でもそれは届かないからこそもどかしくて、行き場のない気持ちが絡まり合っていたが、さっと解けていった。
翌日、頭の中は部長のことが離れずもどかしい気持ちでいっぱいだった。だからといってどうしたらいいのかわからない。
仕事中なのに何度となくため息が出てしまう。
しっかりしなきゃ、と自分を鼓舞し資料のチェックに取り掛かった。
仕事を終え、エントランスを出ると、見慣れた背の高い影が待っていた。街灯の下でも端整な顔立ちが際立つ。
「ちょっとだけいいか?」
まさか部長が立っているなんて思いもせず、驚きすぎて声が出ない。思わず頷くと部長は歩き出し、近くの公園のベンチに座った。ここは夜でも明るくて人も多いので夜でも安心なところだ。
「……俺がどういう立場か、もう知ってるだろう」
私は頷く。
「はい」
「だけど、それは俺にとってはただの背景だ。大事なのは――」
彼が一瞬、歩みを止める。
「君を好きだと言うことだ」
胸が熱くなり、気付けば目には瞳に涙がにじんでいた。
「え? まさか」
言葉にならず、首を振る。
「迷惑か? 恋愛なんてもうしないって思っていたんだろう?」
部長は静かに私の心を見透かすように尋ねてきた。驚いて彼を見上げると、穏やかな笑みが返ってきた。
「俺だって、誰かにこんな気持ちを抱くなんて思ってなかった」
低い声が夜気に響く。
「でも、君だから、思えたんだ」
何も返せずにいると部長はポツリポツリと言葉を発する。
「君の真面目なところも素直なところも、そして何かに熱中できるところもいいと思う」
「できることが沢山あるのにそれを自慢するわけもなく裏方に徹する姿も君の美徳だよ。俺としてはもっと全面に出たらいいのにともどかしくなるぐらいだが」
部長のストレートな言葉が胸に響いてくる。顔を上げるといつもと変わらない笑顔を向け私を見つめてくれていた。
涙が頬をつたう。
(もう、恋なんていらないと思っていたのに……)
気づけば心は決まっていた。今までずっと考えてきた。でもそれは届かないからこそもどかしくて、行き場のない気持ちが絡まり合っていたが、さっと解けていった。