もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
まだ彼は到着していない。私の方が会社を先に出たことはわかっている。
近くのカフェに入って彼を待とうかと思い店に入るとそこで皓介と彼女に出くわしてしまった。正面から会ってしまい、お互いに目が合うと気まずくなる。彼女も私を見て怪訝そうな顔をしていた。
「久しぶりだな」
「え、えぇ。そうね」
交わせる会話なんてないのにどうして話しかけてきたのよ、と頭が重くなる。早くこの場を立ち去りたいが私も彼らも同時にこの店に入ってしまい、ここで立ち去るのは不自然だ。それにもし立ち去るのならひとりの私なのだろうが、逃げ帰るみたいで少し面白くない。彼女は皓介の袖を引くと意味深な表情を浮かべていた。きっと私が元カノなのかを確認したいのだろう。それも私のことも皓介から聞いていたからだろう。そう思うと余計にいずらさを感じる。悔しいし、なぜ私の方が気まずさを感じなければならないのかと思うが、ここに居座るほどの図太さはなかった。まだオーダーもしていないし悔しいが店を出よう。
そう思い後を向くと、「ごめん、遅くなった」と私の頭に手がのりポンポンとされた。
ハッとして顔を上げるとそこにいたのは真紘さんだった。
驚いていると「知り合い?」と聞いてくる。私が小さく頷くと皓介に挨拶をする。
「日菜がお世話になってます。渡瀬と申します」
背の高い彼は皓介を見下ろすように見つめる。そしてさっき私が彼女にされたように上から下まで値踏みするように見ていた。その様子にいつも私には尊大な態度であれしろこれしろと命令していた彼が萎縮しているように見えた。真紘さんは挨拶しかしていないのに彼から滲み出るオーラのようなものを感じたのだろう。
真紘さんは私の顔を見て微笑み、腰に手を回す。その仕草だけでも彼の色気を感じさせる。
確か皓介の彼女は上司の娘さんと言っていたのを思い出す。細身の綺麗な女性であるがどこか気の強さを感じさせる人だと初見で感じた。持ち物もどちらかというと派手でブランドものと思われるようなものを手にしていた。私とは正反対だ。でもその彼女の目は真紘さんに釘付けになっていた。皓介より10センチは高い背にはっきりとした目鼻立ち、かっちりとしたスーツに茶色ベースで薄いピンクのラインが入ったネクタイを合わせオシャレさを感じさせる。
皓介が、あぁ、とか返事らしい返事もできずにいると、真紘さんはそれでは、といい私の腰を抱きながらその場を離れた。
近くのカフェに入って彼を待とうかと思い店に入るとそこで皓介と彼女に出くわしてしまった。正面から会ってしまい、お互いに目が合うと気まずくなる。彼女も私を見て怪訝そうな顔をしていた。
「久しぶりだな」
「え、えぇ。そうね」
交わせる会話なんてないのにどうして話しかけてきたのよ、と頭が重くなる。早くこの場を立ち去りたいが私も彼らも同時にこの店に入ってしまい、ここで立ち去るのは不自然だ。それにもし立ち去るのならひとりの私なのだろうが、逃げ帰るみたいで少し面白くない。彼女は皓介の袖を引くと意味深な表情を浮かべていた。きっと私が元カノなのかを確認したいのだろう。それも私のことも皓介から聞いていたからだろう。そう思うと余計にいずらさを感じる。悔しいし、なぜ私の方が気まずさを感じなければならないのかと思うが、ここに居座るほどの図太さはなかった。まだオーダーもしていないし悔しいが店を出よう。
そう思い後を向くと、「ごめん、遅くなった」と私の頭に手がのりポンポンとされた。
ハッとして顔を上げるとそこにいたのは真紘さんだった。
驚いていると「知り合い?」と聞いてくる。私が小さく頷くと皓介に挨拶をする。
「日菜がお世話になってます。渡瀬と申します」
背の高い彼は皓介を見下ろすように見つめる。そしてさっき私が彼女にされたように上から下まで値踏みするように見ていた。その様子にいつも私には尊大な態度であれしろこれしろと命令していた彼が萎縮しているように見えた。真紘さんは挨拶しかしていないのに彼から滲み出るオーラのようなものを感じたのだろう。
真紘さんは私の顔を見て微笑み、腰に手を回す。その仕草だけでも彼の色気を感じさせる。
確か皓介の彼女は上司の娘さんと言っていたのを思い出す。細身の綺麗な女性であるがどこか気の強さを感じさせる人だと初見で感じた。持ち物もどちらかというと派手でブランドものと思われるようなものを手にしていた。私とは正反対だ。でもその彼女の目は真紘さんに釘付けになっていた。皓介より10センチは高い背にはっきりとした目鼻立ち、かっちりとしたスーツに茶色ベースで薄いピンクのラインが入ったネクタイを合わせオシャレさを感じさせる。
皓介が、あぁ、とか返事らしい返事もできずにいると、真紘さんはそれでは、といい私の腰を抱きながらその場を離れた。