もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
翌朝、目を覚ますと彼はリビングの端で電話をしていた。私が起きたことに気がつくと手でごめん、とサインを送ってきた。私は首を振るとそっと洗面に行く。
鏡を見ると昨日までの自分と何か違った。
彼に愛され心が満たされている気がした。

「日菜、ごめん」

そう言って洗面所に声をかけにきてくれた。私が顔を出すと、

「松木さんからの電話だったよ。昨日の夜にコンテナが見つかったと連絡があったらしいんだ。台湾にあるらしい。インドネシア側からすでにそのコンテナを日本に向かわせる手続きをしてくれたようだ」

「え? 本当ですか?」

金曜の夜にみんなで手を尽くしていたがどうにもならなかったが、インドネシア側も手を尽くしてくれていたようだ。ひとまずコンテナが日本に向かうようになったと聞いてホッとした。

「あぁ、よかった。金曜に手配した新しい商品の方もどうにか日本に送ってもらうように明日進めれば間違いなく当日は問題ないだろう」

どうなるのかヒヤヒヤしたが、これで彼も肩の荷がおりただろう。

「日菜にも伝えないないと、と松木さんが言うから月曜でいいんじゃないかと言った。ごめん」

ちょっと情けない顔を見せる真紘さんがちょっとだけ可愛い。

「休みの日に日菜に電話するなんてちょっと面白くない。公私混同かもしれないけど、それでもやっぱり」

「そんな真紘さんも嫌いじゃないです。私のことが好きなんだなって思います」

ふふふっと笑うと彼も苦笑いを浮かべる。

「当たり前だろう。それとも昨日愛し足りなかった? まだ自覚が足りない?」

さっきの表情はどこへいったやら、今は私をからかうような顔つきに変わっていた。いたずらっ子のような目をして私を抱き上げてしまう。

「待って、待ってください。もう充分に伝わってますから」

慌ててそう言うと彼は笑いながらキスをすると私を降ろしてくれた。
でも朝食が届くまで私を膝の上に乗せなんだか楽しそうにしていた。
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