もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
「日菜、お風呂入る?」

少しウトウトしてしまったようだが彼に髪を撫でられ、私は瞼が少し開く。

「うん……」

すると彼は私の額にキスをするとベッドから出ていく。そしてすぐに戻ってくると私をバスタオルで巻き、抱き上げる。驚いて半分しか開いていなかった目が大きく開いた。

「あ、歩けます!」

そう言ってももう遅い。数歩歩いただけで浴室に入ってしまった。まさか、とは思ったがそのままふたりで温泉に入ることになってしまった。部屋付きの露天風呂で髪も体もあっという間に洗えわれ、気がつくと湯船に浸かっていた。彼もささっと洗うと私の背中側に潜り込んできた。
薄明かりの灯る露天風呂、見上げると満天の星空だ。私が見上げると彼の肩に頭が乗る。

「あんなに星がたくさん……東京ではあんなに見れないですね。起きてきてよかった」

「あぁ、本当に素晴らしい」

言葉もなく、ずっと空を見上げ続けた。
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