もう恋なんてしないはずだったのに〜御曹司課長の一途な愛に包まれて〜
「真紘さん……?」

「日菜、お疲れ様。どうだった、式は」

何もなかったように笑う彼の姿に驚きが隠せない。どうしてここにいるの?
私の手から引き出物や旅行バッグを取ると、空いた手を握り歩き始めた。

「ねぇ、どうしてここにいるの?」

「誠が教えてくれた」

誠さんが?そういえば木曜に行った時に週末の話をした覚えがある。でも友人の結婚式が軽井沢であることくらいしか話していなかったはず。真紘さんにも一緒にドレスを選びに行ったが場所の話はしていなかった気がする。

「誠から日菜が悩んでいそうだと連絡がきた。俺もそう思っていたからきちんと話がしたかった。だから誠に言われたキーワードを頼りに結婚式できる会場を探し回ったんだ」

「ど、どうしてそこまで?」

彼の行動力に驚き声がうわずる。

「その話はゆっくりしよう。ホテルを押さえてあるんだ。車もすぐそこに止めてあるから行こうか」

私の手を引くと駐車場に向かい、荷物を後部座席に奥と私を助手席に座らせた。

「シートベルト締めて」

ぼうっとしているとそう促され慌てて腕を伸ばした。私の予約したホテルはキャンセルするように言われ、促されるままに連絡を入れた。
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