叶わぬロマンティックに終止符を



 「柊、ありがとう、嬉しかった。部長に強く言ってくれて」


 「……録音とか、岡井さんも協力してくれたよ。俺、叶南のこと守るために転職したのかも」


 「ひいらぎの花言葉どおりだね」



 ひいらぎのピアス。ひいらぎの香水。

 彼の名前の由来、ひいらぎの、花言葉。いつか聞かせてくれたそれを、大切にわたしの記憶フォルダに刻み込んでいた。何度も何度も、想いを馳せた。


 "大切な人を守れる人になりなさい"

 花言葉は──"あなたを守る"


 この想いを込めてプレゼントしてくれたのかはわからないけど、ばつが悪そうに一瞬視線を逸らしたから、きっとそうなのだろう。

 熱を持った彼の手が、わたしの耳の花に触れた。




< 53 / 56 >

この作品をシェア

pagetop