〜続〜空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
電話が切れた後も俺はしばらく立ち尽くしていた。

あの日を思い出して動けなかった。

目を閉じなくても脳裏に浮かんでくる、

3年前の花火大会。

花火の音と

キミの横顔。


「颯翔くん」


高校2年の夏。

キミが一番俺のそばにいて。


「何?」


俺が首を傾げると、


「ありがとう」


キミは何度でもそう言った。

あの日もチンピラに絡まれたところをただ助けただけなのに、ご丁寧に何度もお礼をしてくれた。


「またありがとう?オレ他になんかした?」

「うん。たくさんたくさんしてくれた。この4、5、6、7...だから4ヶ月間か...。私、颯翔くんと会えてほんとに良かったよ」

「なんか一生の別れみたいだ」


そうあの時は冗談ぽく言って。

それが本当になるなんて俺は思ってもいなかった。


「私と出逢ってくれてありがとう。空よりも海よりも青い春をありがとう」

「うん...」

「それと...これからも友達としてよろしくね」

「あぁ...よろしく」


たぶん彼女が“友達”ってところを誇張していたのは、俺に振られたから。

夕陽が差し込むカフェで。

今は青空がバイトしているあのカフェで。

彼女は俺に“好き”って言ってくれた。

俺は首を横に振った。

その時俺の胸にはまだ青空がいたから。

俺もそれでいいって思ってた。

“友達”で。

“友達”のままで。

それが間違ってたって気づいたのは、彼女がいなくなってしまってから。

この街から、

俺の前から、

居なくなった、

3年前の8月20日。

キミの誕生日。

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