〜続〜空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
夏祭り当日。

俺は案の定延期になったゼミに出席し、終わるや否や急いで席を立った。

ゼミ仲間に誘われないよう息を潜めて門を潜り、俺は見慣れた道を足早に去った。

追いつかれないように。

仲間にも。

自分の気持ちにも。

生温い風が頬を撫でる。

浴衣姿の家族連れやカップルとすれ違う。

逆方向に進んで行く。

どんどん前へ。

前へ。

前へ。

けれど、最寄駅のロータリーまで来て足がピタリと止まった。

無意識だった。

なんとなくこのままじゃいけない気がした。

青空の言葉が脳裏で反芻する。

前に進む。

時を進める。

その方向はこっちじゃない。

あっち、だ。

俺は回れ右をした。

ゼミ仲間と鉢合わせたっていい。

樹と青空に会ってしまってもいい。

あの日と同じあの場所で

花火を観て

終わらせないと。

こんな気持ちをずっと抱えていても仕方がない。

打ち上げて。

消えて。

全部無くさないと。

俺は再び歩き出した。

キミの面影が残るあの場所へ向かって。

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