自分を好きになる話
次の日、朝六時に起きて、制服に着替えて、ご飯を
食べた。
そのあと、高校に入学したばかりのお兄ちゃんに文
句を言われながら、三十分洗面所を占領する。
私は前髪をセンター分けにしている。触覚はS字に
巻いて、今日はきっと自己紹介があるから、ポニー
テールもゆるく巻いた。
最近買ったシトラスの香りのヘアオイルをつけて、
完成だ。
テンション高めで水筒と筆箱をカバンに入れて、
「いってきます」と大声で伝えて家を出る。
車庫に停めてある自転車に乗り、家の前の坂道を
下る。顔に当たる、春の少し冷たい風が心地いい。
校門のところでちょうど向こう側から来た美空と並
んで、自転車置き場まで行く。心なしか美空もワク
ワクしているように見える。
新学校新クラスで、クラスのみんながソワソワして
いるのがおもしろくて、何故か自分は落ち着くことが
できた。
私は野々原っていう名字なので、出席番号は二十七
番だ。偶然だけど、誕生日がにがつ二十七日だから、
ちょっと嬉しかったりした。
美空は平川という名字なので、私の一個後ろの二十
八番だ。最初の席は出席番号順だから、前後になれ
た。
後ろを向いて美空と話していると、担任が教室に
入ってきた。三十代前半くらいの男の先生で、髪は
短くて爽やかな感じだ。
「あの人、男バスの顧問じゃん」
「え、そーなんだ?」
男子バスケ部の顧問らしい。確かに身長もそこそこ
高い気がする。
「入学おめでとう!
一年二組の担任をします、松本健太
です!担当教科は社会です。
よろしくお願いします!」
先生は大きくてよく通る声で、元気に挨拶を終え
た。
それからは、生徒が出席番号順に前に立って自己紹介
をする。
先生の気持ちの良い挨拶でスタートした自己紹介
は、面白いことを言う人がいたり、かわいい女の子が
いたり、とても時間が早く感じた。
それで、ついに私の番がきた。
とりあえず席を立って、姿勢を正して教卓まで歩く。
あまりこういうことで緊張するタイプではない。
もちろん全くしないわけではないけど、お腹が痛い
とか、そういったやばい状況になったことはない。
食べた。
そのあと、高校に入学したばかりのお兄ちゃんに文
句を言われながら、三十分洗面所を占領する。
私は前髪をセンター分けにしている。触覚はS字に
巻いて、今日はきっと自己紹介があるから、ポニー
テールもゆるく巻いた。
最近買ったシトラスの香りのヘアオイルをつけて、
完成だ。
テンション高めで水筒と筆箱をカバンに入れて、
「いってきます」と大声で伝えて家を出る。
車庫に停めてある自転車に乗り、家の前の坂道を
下る。顔に当たる、春の少し冷たい風が心地いい。
校門のところでちょうど向こう側から来た美空と並
んで、自転車置き場まで行く。心なしか美空もワク
ワクしているように見える。
新学校新クラスで、クラスのみんながソワソワして
いるのがおもしろくて、何故か自分は落ち着くことが
できた。
私は野々原っていう名字なので、出席番号は二十七
番だ。偶然だけど、誕生日がにがつ二十七日だから、
ちょっと嬉しかったりした。
美空は平川という名字なので、私の一個後ろの二十
八番だ。最初の席は出席番号順だから、前後になれ
た。
後ろを向いて美空と話していると、担任が教室に
入ってきた。三十代前半くらいの男の先生で、髪は
短くて爽やかな感じだ。
「あの人、男バスの顧問じゃん」
「え、そーなんだ?」
男子バスケ部の顧問らしい。確かに身長もそこそこ
高い気がする。
「入学おめでとう!
一年二組の担任をします、松本健太
です!担当教科は社会です。
よろしくお願いします!」
先生は大きくてよく通る声で、元気に挨拶を終え
た。
それからは、生徒が出席番号順に前に立って自己紹介
をする。
先生の気持ちの良い挨拶でスタートした自己紹介
は、面白いことを言う人がいたり、かわいい女の子が
いたり、とても時間が早く感じた。
それで、ついに私の番がきた。
とりあえず席を立って、姿勢を正して教卓まで歩く。
あまりこういうことで緊張するタイプではない。
もちろん全くしないわけではないけど、お腹が痛い
とか、そういったやばい状況になったことはない。