自分を好きになる話

はじまり

 春。桜の花びらが綺麗なピンクに色づいてきた頃。
 
「新入生の皆さん。入学おめでとうございます。希望

と不安を胸に……………」

 頭のてっぺんが輝いている校長先生の長い話を聞

いて、校歌を歌い、ようやく入学式が終わった。

 ずっと青いパイプ椅子に座っていたから、ちょっと

おしりが痛い。

 でも、紺色に白のラインが三本ひいてある、赤いリ

ボンのついたセーラー服はやっぱり可愛くて、ずっと

テンション上がりっぱなしだ。

 その後、朝発表された自分のクラスに行き、先生の

話を聞いて、今日は解散らしい。

 私は同じ小学校から来た友達が結構いたから、友達

に困ることはなさそう。

 小学一年生からの友達の美空と一緒に一年二組の教

室を出て、自転車置き場まで歩いた。

 私は学校まで自転車で十分くらいのところに住んで

いる。

 自転車は中学に入るからってお父さんが新しいのを

買ってくれた。

 黒い自転車で、白いローマ字が書かれている。一目

惚れで買ってもらった。

 学校指定のヘルメットを被って、自転車に乗り、桜

の木を通って、校門で先生と美空にさよならを言う。

 今日が始めての登校日だから、もちろん帰るのも初

めてで、何もかもが新鮮で、ワクワクしてた。

 夜は一日の出来事を家族に話して、明日からの学校

が楽しみだと伝えた。
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