幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-
今でも左目が少し見にくく、右と左で視力に差はあるが、視界が極端に狭まったり痛みや頭痛を生じることはない。完全に元通り、とはいかないかもしれないが、日常生活にも特に問題はないので、咲は『もう治った怪我』だと認識している。
しかし光希はそう思っていないらしい。
そう。彼は咲が怪我をしたのは自分のせいだと――自分がボールに飛び込んだ結果、咲の顔と目に怪我を負わせてしまった、と感じているらしい。
その後悔が未だに尾を引いているのか、光希は常に咲を心配している。こうして左目を覗き込んで、ちゃんと見えているか、何か異常は起きていないか、痛みはないか、と事細かに確認してくれるのだ。
(もう全然、大丈夫なんだけどな……)
もちろん、光希が咲を心配する気持ちはわかる。内出血の痣があるときは本当にひどい顔をしていたので、それを見た光希が自分を責めてしまう気持ちも理解できる。ひどい顔を人目に晒さないよう夏休みの中盤は外出を控えていたので、友だちと行く予定だった海水浴や天体観測、夏祭りに行けなかったことに対して、彼が責任を感じてしまう気持ちもわかる。もし逆の立場だったら、咲も申し訳なさを感じただろうし、激しく心配したはずだ。
けれどあれからもう七年。今はもう失明の心配もないし、健康状態にも問題はない。必要なときは眼鏡やコンタクトレンズを使って、視力を補っている。だから光希が心配するほどではないと思うのだが、彼の献身は今なお続いている。――少々やりすぎではないかと思うほどに。