幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-

「光希くん」
「ん?」
「あの……毎日送り迎えしてくれなくても、大丈夫だよ?」
「……」

 光希の顔を見上げたままおずおずと告げると、その表情がわずかに曇る。これまでも何度か伝えてきたが、口にするといつも困ったような顔をされてしまう。

 けれど咲は、いつまでも光希を縛りつけたくない。彼が申し訳ない、と思う気持ちを否定するわけではないが、高校を卒業し、大学を出て、社会人になった今でも毎日のように咲を職場まで送迎してくれるのは、さすがに過保護すぎると思うのだ。

「光希くんが忙しい日とか、一人でもちゃんと帰れてるし……」

 しかも光希は、咲の送迎がしやすいよう同じ大学へ進学し、就職先も咲の勤める会社近くの企業を選んだ。咲が就職先を決めてから就職活動をするのはさぞ大変だっただろうに、気がつけば勤め先だけではなく一人暮らしをするマンションまですぐ傍のものになっていた。

 事情をよく知る高校時代からの友人たちには『もはやストーカーの域だね』と笑われているが、咲としては笑いごとではない。

 咲は光希を縛りつけたいわけではない。

 自分に献身的に尽くしてほしいとも、怪我をさせられた贖罪をしてほしいとも思っていない。

 彼にもっと自由に生きてほしい。サッカーボールを追いかけてフィールドを駆け回っていたときと同じように、楽しくのびのびと過ごしてほしい、と心から思っているのに。

「この間、光希くんが出張だったときはちゃんとバスで――」
「咲」

 自分の気持ちを伝えようと口を開いた咲だったが、続きの台詞は光希の低い声に妨げられてしまう。

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