幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-
「細かい作業を黙々と続けるのは目に負担がかかるかなぁ、と思って全然作ってなかったんだけどね。この間、仕事帰りに手芸屋さんに寄ってみたら、なんか懐かしくなっちゃって。別にそこまで負担じゃないし、今は調子も悪くないし、もし調子悪くなったらやめればいいかな、と思って作ってみたの」
咲が照れ笑いを浮かべると、一瞬目を丸くした光希が、すぐににこりと笑ってくれる。咲の方へ身を乗り出した彼が、少しだけ意地悪な表情を浮かべた。
「俺のことを思って、一生懸命作ってくれたんだ?」
「ううん。無心で作ってたら、いつの間にか完成してた」
「……」
「……嘘だよ」
光希にからかわれそうな気配を感じたので、先手必勝で咲の方からからかってみたが、思わぬショックを与えてしまったらしい。綺麗に整った顔を寂しそうに萎ませて黙り込む姿が少し可哀想になったので、冗談は引っ込めて素直に想いを伝えることにする。
「光希くんが新しい職場でも上手くいくように、って願いを込めて作った」
「そうか、ありがとう」
どうやら光希は、咲がつくったストラップを気に入ってくれたようだ。しばらくは手の中にあるそれを転がしてじっくりと眺めていた光希だったが、ふと気がつくとスマートフォンのケースにストラップを括りつけている。
仕事でも使うものにつけなくても……と思う咲だったが、光希は気にした様子もなく優しく微笑んでくれる。彼の笑顔はいつも咲の心を温かくさせてくれる。
いつものように光希が咲の目を覗き込んでくる。だから咲も光希の目を見つめ返す。
「このあと、星でも見に行くか」
「……うん!」
光希の提案に頷くと、すぐに優しい笑顔を向けてくれる。
夜空を思わせる彼の黒い瞳の中には、今日も一番星のような強い光が輝いていた。
――Fin*


