幼なじみの過保護愛 -星のかけらは純愛のしるし-

 とはいえ、転職したばかりでやることも覚えることも多い中で、勉強会への参加も促されるとあれば、拘束時間に限らず疲れるはず。そう心配する咲だったが、光希は案外けろりとしているばかりか、表情はむしろ楽しそうだった。

「光希くんにプレゼントがあるの。大したものじゃないけど」
「ん?」

 そんな光希が『夜は一緒に食事をしよう』というので、今日はレストランにやってきた。注文した料理が運ばれてくるのを待つ間、バッグのなかに用意していたものを光希に手渡す。

 それほどかしこまったわけではない、雑貨屋に置いてあるようなよくある小さい紙袋を差し出すと、それを開いた光希が少し驚いたように目を丸くした。

「ミサンガ?」
「そう。高校のとき、みんなつけてたでしょ? あれと同じ方法で作ったストラップなの」

 袋の中に入れていた『プレゼント』は、刺繡糸を編み込んで作った『ミサンガ』だった。高校時代に、クラスの女子たちの中でこれを作ることがなぜか大流行し、一時期はクラスの全員がなんらかの形のミサンガをバッグやペンケース、シューズケースやスマートフォンに巻きつけていたのだ。

 ただし光希が今手にしているものは、紐の先端同士を結ぶブレスレットタイプやアンクレットタイプのものではなく、最初から根付紐をつけておきキーホルダーのように使えるストラップタイプのものだ。

「咲が作ったのか?」
「うん」

 成人した大人の男性が使っても違和感がないように、ほとんどが黒色の刺繍糸で、編み返しとなる端の部分が光希の好きな青色の刺繍糸。そしてところどころに金色の糸を混ぜ込み、角度を変えるときらりと光るような細工を施してある。一か所だけ金色のガラスビーズをつけているのは、咲が思う光希の印象――『一番星』のイメージだ。

< 46 / 47 >

この作品をシェア

pagetop