義兄の愛に人生観を変えられ……
「あの続きは書いてないよ。続けるかどうかも迷ってる……」
「そっか。楽しみにしておく」
まさか亮太君を想像しながら書いた小説なんて言えるはずがない。再会して眠れない日に一気に書いた小説だった。
亮太君が諦めていた夢を再び思い出させてくれたのだ。
黙り込んでしまった私に柔らかな瞳を向けていた。
「じゃあ、さっそく」
そしてパソコンを開けてデザインを見せてくれたのだ。
キラキラと輝く雪の結晶が印象的な素敵な作品だった。胸が熱くなって、これは人の心を動かすものだと強く思った。
「『北海道の人は冬が近づくとまた雪が降るからと嫌な顔をする。でも私は嫌いじゃない。太陽に照らされた雪を見るとものすごく美しいから。キラキラと輝いていてその世界が特別に見える』」
亮太君が私の小説の一節を暗唱し始めたのだ。
恥ずかしくなって、胸がドキドキとしてくる。
「みどりの作品に影響を受けた。あの時の感情を思い出して今回の作品をつくることができたんだ」
「……そうだったんだ。そんな昔の小説……覚えていたんだね」
「あぁ。小説を読ませてくれたことがきっかけで俺も夢を持ったから……。俺の人生を変えてくれてありがとう」
優しい瞳で見つめてくるので、思わず視線を逸らした。