義兄の愛に人生観を変えられ……
*
ここの職場での仕事が残り三日となった。
自分の気持ちが変わると、こんなにも心が楽に生きられるなんて思ってもいなかった。
母に決められた道を歩んでいると思ったけれど、自分の気持ちを縛り付けていたのは私自身だったのかもしれない。
職場がまた変わってしまうが、最後の最後まで感謝の気持ちで頑張ろうと決意した時だった。
山川部長に再び呼び出しをされたのだ。
「浅田さん、実はご相談がありまして」
「何でしょうか?」
「派遣社員として来てくださっていたんですが、大きなミスもあったんですけれども……その後、完璧に仕事をこなして、すごく戦力になってくださりました。なのでもしよければ契約社員としてうちで働いてみませんか?」
まさかの提案に私は目を丸くした。
「いいんですか? ありがとうございます……!」
山川部長も安心したように微笑む。
「もちろんです。今後ともよろしくお願いしますね」
「こちらこそよろしくお願いします」
有り難くて気持ちが弾んでいく。
「最近、いろんな色のお洋服を着て出勤していますね」
「はい」
今日は濃いめのピンクのカットソーに、白いスカートを合わせていた。
「似合っていますよ。うちの職場に馴染んできたなっていう感じがして」
たしかにここで働いている人たちはカラフルな服を着ていてとても似合っている。
「デザイン部の皆さんのように、おしゃれになっていけるよう頑張ります」
「頑張らなくていいんだよ。自分らしくね」
山川部長がウインクをした。
その日の夕礼で私が契約社員としてここに残ることが発表された。
嬉しそうな顔をしてこちらを見た亮太君と目が合う。
これからもここで一緒に働いていけるのだと思うと素直に嬉しい。
仕事も一生懸命頑張りながら、夢も恋もあきらめないように私のカラーで自分の人生を彩っていければなあと思っている。