恐怖病院
私を心配しつつも、お化け屋敷に入れることで佳奈美の声のトーンが上がっている。
「うん! みんなもいるから大丈夫!」

私は大きく頷いてそう言った。
何事も楽しまなくちゃ!

☆☆☆

《恐怖病院》と書かれた看板は斜めになり今にも落下してきそうでこわい。
建物自体もすごく古くなってあちこちひび割れ、窓ガラスも割れている。

崩れ落ちてしまいそうな建物を見上げてまた不安がこみあげてきた。
「この建物すごく古いよね? 入っても大丈夫かな」
「そういう風に見せてるだけだって」

不安がぬぐいきれない私に貴也が答える。
そっか、古く見えていたって実際に古いわけじゃないんだ。
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