恐怖病院
「お化け屋敷をやり直したのね。ミッションクリア! あなたたちはとても勇敢だったから、これをプレゼントするわね」

そう言って渡されたのは遊園地の半額チケットだった。
それぞれ二枚ずつもらって、私たちはお化け屋敷を離れた。
さっきのベンチに座ってお化け屋敷の出口をジッと見つめる。

「ミッションクリアしたから、みんな戻ってくるはずだよ」
「うん」
みんな合流したら、渚ちゃんを両親の元へ帰してあげなきゃいけない。

私ひとりじゃ到底ミッションクリアできなかったと思うから、ちゃんとお礼もしなくちゃ。
そう思っていたのだけれど、十分が経過しても20分が経過しても貴也たちは姿を見せない。
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