恐怖病院
自分の想像力のなさに頭を抱えたくなったけれど、すぐに行動するべきだ。
私はベンチから立ち上がると渚ちゃんの手を握りしめた。
「もう1度お化け屋敷に入るけど、いい?」

「もちろん!」
渚ちゃんが力強く頷いてくれたので、私も決心がついた。
今度はまた生死に関わる鏡の中のお化け屋敷へ入っていく。

その勇気が湧いてくる。
「でもその前に、私の話を聞いてほしいの」
渚ちゃんが言いにくそうに伝えてくる。

「なに?」
「わたしが、どうして鏡の中にいたのか……」

☆☆☆

それは半年前のことだった。
渚ちゃんと両親。

そして友達のアンナちゃんと啓太くん。
5人でこの遊園地にやってきたそうだ。
< 148 / 227 >

この作品をシェア

pagetop