恐怖病院
そんなこともうすっかり忘れてしまっていた。
「あぁ。鏡の場所もわかってるし、やってみたいな」
貴也が頷いて話を先に進めている。

それと同時に列も進む。
心臓がドクドクと早鐘を打ち始めていた。
「このお化け屋敷では3人の子供が行方不明になっていて、その中の1人がまだ見つかってないらしい。不思議なんだけど、1人見つかると1人いなくなる。そんなことを繰り返してるって噂だ」

貴也の説明もあまり頭に入ってこない。
列はどんどん進んでいく。
自分たちの番が近づいてくる。

冷や汗が背中に流れて、今なら引き返せるぞと頭の中で警笛が鳴る。
だけどみんなで楽しむと決めたその気持の方が強かった。
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