恐怖病院
親や先生以外で大人の人と面と向かって会話するのは初めてのことだった。
「それでもこちらの過失だからね。ちゃんとお詫びはするよ」

「それはいいとして、質問があるんです」
「質問?」
貴也はコクリと頷いて私を視線を向けてきた。
これからする質問は大人の人には信じてもらえないかもしれない。

でも、私たちはこのまま帰るわけにはいかないと思っていた。
「お化け屋敷の中にある鏡です。あの鏡の噂を知っていますか?」
「あぁ、あれか。もちろん知っているよ」

あっけなく頷いた男性に私はまばたきを繰り返した。
てっきり否定されると思っていた。
「鏡の中に引きずり込まれるとか、そういった噂があるみたいだね?」
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