恐怖病院
私は返す言葉が見つからなくて佳奈美の背中をさする。
その背中がやけに小さく感じられた。
お化け屋敷が苦手だったのは私の方なのに、なんだか立場が逆転していておかしくなった。
「とにかく先へ……」
貴也がそう言ったときだった。
通路の奥から子供の泣き声が聞こえてきて私たちはそちらへ視線を向けた。
次の部屋がなんなのかまだわからないけれど、そこから聞こえてきたように感じられる。
「今の声はなに? 私たちをおびき出そうとしているの?」
あまりに悲痛な泣き声にこっちの胸まで痛くなりそうだった。
「そうかもしれないな。どっちにしても、先に進まないと出口はないみたいだ」
その背中がやけに小さく感じられた。
お化け屋敷が苦手だったのは私の方なのに、なんだか立場が逆転していておかしくなった。
「とにかく先へ……」
貴也がそう言ったときだった。
通路の奥から子供の泣き声が聞こえてきて私たちはそちらへ視線を向けた。
次の部屋がなんなのかまだわからないけれど、そこから聞こえてきたように感じられる。
「今の声はなに? 私たちをおびき出そうとしているの?」
あまりに悲痛な泣き声にこっちの胸まで痛くなりそうだった。
「そうかもしれないな。どっちにしても、先に進まないと出口はないみたいだ」