指先から溢れる、隠れた本能。


 蒼空さんのそばにいると、安心感と高揚感が同時に押し寄せる。どうしてこんな気持ちになるのか、頭では理解できないのに、心と体は彼に引き寄せられる。頬が赤く染まり、視線を落とすけど、蒼空さんの気配が空気を重くし、体の感覚をさらに鋭くさせた。

 私の言葉を聞いて、蒼空さんの瞳が一瞬揺れた。彼は息を呑み、そっと私の肩に手を置いた。
 その温もりが、柔らかく、でも確かな力強さで私の体に伝わる。触れた瞬間、全身に熱が広がり、胸の奥の疼きが抑えきれなくなった。心臓が跳ねるように鳴り、呼吸が乱れる。まるで、体の全てが彼に反応しているみたいだった。


 「……我慢できない……」


 蒼空さんの声は低く、囁くように震えていた。彼は私をそっと引き寄せ、古びたソファに押し倒した。革の座面が軋む音と、体の沈む感触が、まるで世界が私たち二人だけになる合図のようだった。蒼空さんの瞳が近くで揺れ、かすかに開いた唇から漏れる吐息が、私の心をさらに乱す。


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