指先から溢れる、隠れた本能。
彼の気配──低く響く声、穏やかだけどどこか鋭い視線、そっと近づく体温──それらが、私の心と体を強く揺さぶっていた。抑制剤を飲むのを忘れてしまった今日、体の感覚がいつもより鋭く、まるで自分のものじゃないみたいだ。
頬が熱くなり、吐息が小さく震える。どうしてこんな風になってしまうのか、自分でもわからない。
蒼空さんはソファに座り、抑制剤のケースを握りしめていた。彼の瞳には、普段の落ち着いた光とは違う、熱を帯びたものが宿っている。私の肩のラインや首筋を見つめるその視線に、胸の奥がさらに熱くなる。
彼が近づくたびに、体の奥から何か呼び起こされるような感覚が広がる。理性では抗おうとするのに、体は正直に反応してしまう。
まるで、彼の存在が私の心の奥底にある何かを解き放っているかのようだった。
それに、どこか、体調が悪そうだ。
「蒼空さん……無理はしないでください。私も……助けたいって思ってます」
私の声は小さく、震えていた。
自分でも驚くほど、言葉に純粋な想いが込められていた。