指先から溢れる、隠れた本能。
私の言葉に、蒼空さんは柔らかく微笑み、私の手を強く握った。その瞬間、私たちの間に流れる空気が、まるで永遠の約束のように温かく、確かなものになる。
資料室の古いソファに座り、互いの手を握り合いながら、私たちは静かに微笑み合った。あの夜の濃密な甘さは、今も心の奥に深く刻まれている。でも、今はこの穏やかな時間──互いの存在を確かめ合う時間が、私にとって何よりも大切だった。
オフィスに戻ると、蒼空さんは私の隣を歩き、自然に歩調を合わせてくれる。廊下の喧騒が遠くに聞こえ、日常の現実が戻ってくる。でも、蒼空さんのそばにいるだけで、心は穏やかで、どこか甘い気持ちで満たされていた。窓から差し込む午後の光が、私たちの影を長く伸ばし、まるで二人の未来を象徴しているようだった。
「蒼空さん、これからも、ずっと一緒に……」
私は小さく呟き、恥ずかしさで頬が熱くなるのを感じた。蒼空さんは私の言葉に気づき、軽く頷いて微笑んだ。その視線に、信頼と愛情が込められている気がした。私たちは互いの存在を確かめるように視線を交わし、日常の中で少しずつ、でも確実に心を結びつけていく。
オフィスの窓から見える夕陽が、街を柔らかく染めていた。私と蒼空の足音が、静かに響き合う。甘く、静かな日常の中で、私たちの関係は心の奥で、蒼空さんとの未来を思い描く。
「今日は家に来ないか? 誰も気にせず、味わいたい」
「は、はい……行きます」
私は蒼空さんの提案に微笑んで頷いた。
END


