指先から溢れる、隠れた本能。



 蒼空さんの手が私の髪を撫で、優しく頬に触れる。その感触に、体がビクッと反応し、胸の奥が熱くなる。でも、今は激しい命令や支配ではなく、穏やかな愛情が私たちを包んでいる。蒼空さんの『dom』の性質は、私の『sub』の心を導きながらも、いつも愛情と信頼で満たしてくれる。彼のそばにいると、私の心は自由で、でもしっかりと守られている気がする。


「六花、これからも俺のそばにいてくれ。どんなときも、俺がお前を守る」


 蒼空さんの言葉に、私は小さく頷いた。心の奥で、愛情と信頼が深く根を張っていくのを感じる。私はまだ、自分の『sub』の性質を完全に理解できていない。でも、蒼空さんとの関係を通じて、私は自分自身を受け入れる勇気を得ていた。彼の命令は、私を縛るものではなく、私を解放してくれるものだった。




「はい……蒼空さん、ずっとそばにいます」



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