【改稿版】幼馴染との婚約を解消したら、憧れの作家先生の息子に溺愛されました。
「それでも、もし気が引けるなら、正式に家政婦として雇うのはどうでしょうか? 仕事がないままでは困るでしょう?」
「でも、杉田さんという方がいらっしゃるのでは?」

 問い返すと、安浦先生が口を開いた。
 
「実は……杉田さんは先日お孫さんが生まれてね。しばらく戻って来れないそうなんだ」
「そ、そうだったんですか……」

 本当にそれでいいのか、と一瞬迷う。でも……背に腹は代えられない。
 どちらにとってもメリットなら、この提案に甘えるしかないと思った。
 
「わかりました。じゃあ、杉田さんが戻るまで、よろしくお願いします」

 こうして私は、家政婦の杉田さんが戻るまでの一年間、安浦家にお世話になることになった。
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