奏でる甘い日々に溺れてほしい

2 奏音side

「有咲さんはなんでここに?」



「私?綺麗な音色が聴こえたから、そしたら奏音くんがピアノ弾いてて、ジャズ好きなんですか?」



「ジャズは趣味、普段は…普通の会社員だよ」



クラシックピアニストなんて言えないけど、
俺の演奏で来てくれたんだ、嬉しいな。



「私もジャズ好きです!凄いです、趣味でもジャズ弾けるなんて!奏音くんはおいくつで?」



「26」



「えっ?てっきり私、同い年くらいかと…すみません、奏音くんなんて気安く呼んで…私は23です…」



(律と同い年だ。)



「全然、いいよ!嬉しい…あっ…えっとよく若く見られるから、自慢じゃないよ」



俺は君の仕事は聞かなかった、お嬢様だって知っているから、けど知らないフリをした。
たまたま弾いたジャズをそんなに喜んでもらえて良かった。




それよりも君は綺麗すぎて目立ってる。
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