マリオネット
「はぁっ……。はぁっ……」
 とりあえず、人通りが多い明るいところまで走って来れた。

 けどあの人、殺されちゃう!
 私は慌てて警察に通報をした。すぐ向かってくれるという返事だった。
 しばらくしてパトカーのサイレンが聞こえた。

「あの人、大丈夫かな」
 一人、言葉に出してしまう。
 今、私が行っても何もできることはないよね。
 ケガとかしてたら警察が救急車を呼んでくれるだろうし。
 助けてもらったのに、一人だけ逃げて来ちゃった。
 罪悪感が残る。
 どうしよう。戻ろうかな。
 でも、怖い。警察が到着する前にあいつらが逃げて近くにでもいたら。

 悩んだが、私は一度自分の家に帰ることにした。
 明日の明るい時間に見に行こう。
 

 午前九時、出かける準備をしている。
 遊ぶカッコではない、出勤時のようなフォーマルな服装。髪の毛もウィッグではなく、黒髪のストレートロングの地毛。
 助けてくれたあの人のことが気になって、全く眠れなかった。
 ケガしてたら、どうしよう。私のせいだ。
 襲ってきた男が言っていたが、助けてくれた人が家が無い人だったら、あの近くにいるはず。
 私は、昨日の公園に向かった。
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