マリオネット
「なに?お願いって?」

 凪は私の彼氏になった。

 嫌だって言うだろうな。

「スマホを持ってほしいの。もちろん、私が買うから。今日みたいなことがあって、すごく焦った。大袈裟かもしれないけど、不安で不安で仕方がなかった。会社にいる時も、スムーズに凪と連絡を取りたい」

「陽菜乃さんの気持ちはわかった。じゃあ、俺のお願いも聞いてくれる?」

 凪のお願いってなんだろう。

「陽菜乃さんが仕事をしている間の平日五時間くらい、アルバイトとかでいいから働きたい。陽菜乃さんに甘えてばかりで……。彼女のために何も買ってあげられない彼氏なんて嫌だ。もちろん、家事は続けていきたいから、陽菜乃さんがそれでいいって言ってくれるんなら、短時間でいい。もっと働いてほしいって思うんだったら、もっと頑張るけど?」

「そんなこと思ってない!私は……。私が働くから凪には家に居てほしいって思っている。でも、私の給料じゃ欲しい物も買ってあげられないから……。わかった。いいよ。だから、スマホは持ってくれる?」

 凪を束縛ばかりしていてはダメなことは、わかっていた。
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