マリオネット
「んぁっ!」
 凪に押し倒された。

「もっと上に行こうか」
 ベッド上で抱えられ、定位置の枕に頭を乗せられる。

「凪!?」
 彼は私の上に跨り、キスをしてきた。

「ん……。あっ……」
 
 唇が離れる。

「どうしたの?いきなり……?」

 凪にしてみれば、強引だと思った。

「俺、彼氏になったから、遠慮しなくていいんだよね?だからもっと陽菜乃さんの身体も理解したい。他の男とは違って、痛くないって思ってもらえるように。俺じゃなきゃダメだって思ってもらえるように……」
 ドクンドクンと鼓動が大きくなる。

「もう、凪じゃなきゃダメだよ?」

 どうしてこんな女の子らしい言葉が出てきたのか不思議だった。

「陽菜乃さん。それヤバい」
 
 その瞬間、キスをされた。

「ん……」
 お互いの舌が絡まる。

「んん……」
 一旦唇が離れたため、上にいる凪を見つめてしまった。

「抱きたい。けど、明日は陽菜乃さん仕事だから我慢するね。焦ってやりたくないし」

 そう言うと彼は、私の隣に横になった。
 ちゃんとそういうところまで考えられるって凄いな。

「ありがとう。凪」

「うん。今度は覚悟しといてね。遠慮しないから」
 彼がフッと笑った。

 なんかいきなり「男の人」って感じになった気がする。
 私が彼氏として意識しているからかな。
 彼の手を握り、その日は眠りについた。
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