マリオネット
<ピピピピピ……ピピピピピ……>

 アラームの音がする。
 もう朝、起きなきゃ。

「陽菜乃さん、朝だよ。起きて!」
 凪の声がする。

「おはよう!」

「おはよう」

 彼は朝から元気だな、いつも羨ましい。
 凪の作ってくれた朝食を食べ、出社の準備をする。

「凪。今日、スマホ買いに行こうね」

 お弁当を私に渡しながら
「うん。駅で待っているね」
 明るい笑顔。いつもの凪だ。

「行ってきます!」
 玄関まで送ってくれる彼に挨拶をし、マンションを出た。


 出勤し、自席に座っていると
「おはようございます」
 坂本さんが珍しく挨拶をしてきた。

 そういえば飲み会で別れて以来、初めて会社で会うことになる。向こうは気まずくないのだろうか。

「おはようございます」
 私が挨拶を返すと
「藤崎先輩、あんなカッコ良い彼氏いたんですね?」
 そう話を続けてきた。

 うわぁ、面倒だな。
 そんな大きな声で言わないでほしい。

「うん」
 苦笑いで返すと
「どこで知り合ったんですか?」
 彼女の質問は止まらなかった。

 どこで出会った?公園で……。
 なんて言えるわけがない。

「友達の紹介だよ」
 その場限り、適当なことを言って逃れようとした。

「そうなんですね。どのくらい付き合ってるんですか?」

 まだ続くの?この質問。
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