マリオネット
 私は布団から出て凪の上に跨り、自分から彼にキスをした。

「ん……。陽菜乃さん?」
 名前を呼ばれたが気にせず、唇を合わせ続ける。

 チュッ、チュッとリップ音が室内に響く。

「んん……」
 私が彼の上に乗っているのに、口の中では彼にリードされていた。舌と舌が絡まる。

「ん……。ふっ……」
 キスだけで気持ちが良くて、自分から誘ったくせに声が出てしまう。

「陽菜乃さん。これ以上すると我慢できなく……」
 彼は私の腕を抑えた。

「我慢しなくていい……。凪に……。抱いてほしい」
 おそらく私の顔は真っ赤の状態だ。
 引かれただろうか。

「ごめん」
 そっか。やっぱり嫌だよね、こんな急に。
 凪だって今日は疲れているのに。

「こっちこそごめんね。今退くから……きゃっ」
 私が彼の上から退こうとした瞬間、優しく反転された。

 そしてーー。
「んん……!」
 凪が上になった状態でキスをされる。
 さっきよりも奥まで舌が入ってきてーー。

「女の子にそんなこと言わせてごめん。陽菜乃さん疲れてると思って、正直、遠慮してた。ゆっくり休んでほしかったし。陽菜乃さんが良いなら俺は、陽菜乃さんを抱きたい」

 いつもより低い、凪が真剣な時の声音だ。
< 150 / 186 >

この作品をシェア

pagetop