マリオネット
「ごめん。今の俺じゃ高価な物買ってあげられないけど。今度はペアで買えるように頑張る」

 凪がアルバイトを始めて、生活費や家賃としてバイト代はもらっていた。
 あとは、彼の欲しい物が買えるようにお小遣いとして残りは返していたけれど、もしかして……。

「自分の物、何も買わずに買ってくれたの?」

「うん。どうしても自分の物より優先したかった。記念日とか陽菜乃さんの誕生日もまだだけど、感謝したかった。俺は陽菜乃さんが居なきゃ何も変われなかったから。もう一度、ちゃんと生きようって思わせてくれた人だから。もっともっと努力して、ちゃんと彼氏として頑張るよ。陽菜乃さんの……。旦那さんになれるように努力するから。だからもうちょっと待っていてほしい」

 彼の言葉を聞いて、涙が零れる。
 ちゃんと凪の誕生日になっているのかな。

「ありがとう。嬉しすぎ。何も言えないよ」
 凪はアハハと笑っていつものように優しく頭を撫でてくれた。




 夜も身体ごと愛された。
「あっ――!凪っ……もっ、だめ」

「大好きだよ」

 どうか神様、彼とずっと一緒に居られますように――。
 昔の私では考えられないことを祈ってしまったんだ。
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