マリオネット
「前にどうやって犯人を調べたのか、秘密ってことしか伝えられなかったから。今日話をしたいと思って」

「えっと。つまり、凪はお金持ちの息子さんだったってこと?」

「昔は……ね?ウソをつこうと思っていたわけじゃないんだ。もう右京の家に帰ろうとは思っていない。本当にあのまま路上生活を送りながら生涯終ってもいいかなって思っていたから」

「どうして今、私に話をしようと思ったの?」

「いつかはバレることだし、右京家とはもう関りはほとんどない。俺自身はお金も持ってない。だから過去として考えてもらえればいいんだけど、陽菜乃さんにとって、このことが隠し事だと思われても嫌だった。あと、俺のこと知ってほしかった。俺はもうずっと陽菜乃さんと一緒に居るつもりだから。ごめん。お金持ちじゃなくて」

 凪にそんな秘密があるなんて思わなかった。
 正直驚いているけれど、だからと言って凪に対する感情は変わらない。

「教えてくれてありがとう。私も凪と一緒に居たいっていう気持ちは変わらないよ。お金も別になんとも思わない」

 そう。私は凪が居てくれればそれでいい。

「良かった。ありがとう」

「あの。私、そんな御曹司?に対してすごい態度とかとっているけど、大丈夫?」

 初めて出逢った時から強引に話を進めてしまっているし、凪に対して酷いことばかりしているような気がする。

「そんなことないよ。俺はもう何もない普通の人間だから。陽菜乃さんがご主人様でいいんだよ」
 そう言って凪は笑った。

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