マリオネット
「陽菜乃さん!?」

「なんか申し訳ないような」

 彼はクスッと笑い
「何言っているの?ご主人様はゆっくりしててよ。俺だってこれくらい出来るし。しばらく公園とかで暮らしてたから、久しぶりだけどね。えっと……。俺、汚くない?臭くない?そんなにくっついて大丈夫?」

「全然汚くないよ。凪こそ、こんなおばさんに抱き付かれて嫌でしょ?」

 年下と付き合ったことがない。弟がいるため、年下と聞いた時、弟とかその友達のイメージがどうしても湧いてしまって。年下男性を恋愛対象として見ることが今までできなかった。

「おばさんってことは、俺より年上なんだ」

 あっ、秘密にしようと思ってたのに。
 簡単にバレてしまった。

「陽菜乃さんが何歳でも俺は気にしないよ。あとハグされるのも嫌じゃない」
 
 凪って優しい。最初話しかけた時は冷たいイメージだったのに。ちょっとは私に懐いてくれたのかな。

「ねぇねぇ。凪ってケンカ強いの?」
 話をはぐらかすために質問をする。

「あぁ。うーん。昨日はしばらく何も食べてなかったからあんまり力が出なかったけど、昔から荒れてたから、ケンカの数はこなしている方だと思うけど……。普通の人相手なら大丈夫だと思う」

 こんな可愛い顔して、ケンカしてきたのか。

「昨日は、ごめんね。痛かったでしょ?」

「大丈夫だよ。あれくらい」

 片付け終わりましたと私の手を引き、ソファへ。
 なんだろう。どうして凪には気を遣わずに話せるんだろう。ぶりっ子しなくてもいいし、素になれて楽。年下だからかな。
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