マリオネット
「私、明後日から仕事だから。お留守番とか、家事は全部、凪に任せるね。明日、買い物に行こう。この辺のスーパーとか教えるから。あと、凪の洋服とかも見に行こうか?」

「スーパーの場所とか教えてもらえるのは有難いけど。洋服とか買ってもらうのは……。俺、まだそんな働きしてないし」

「うーん。そうだな、じゃあ、前払いね。これから毎日大変だから、覚悟してね」
 こう言えば納得してくれるだろうか。

「はい、ご主人様」
 彼は微笑みながら返事をしてくれる。こんな顔、出来る子なんだ。ホント、可愛い。撫でたい。

「凪。私、お風呂入ってくる!テレビでも見て、ゆっくりしてて」

「うん。何かやっとくことある?」

「今はないから大丈夫!」

 私はいつも通りシャワーを浴びるために浴室に向かった。
 凪には申し訳ないけど、試すつもりでテーブルの上にお財布を置いたままにしておいた。最低だと思うかもしれないけど、まだ情が湧かない内に、凪の本性を見たかった。
 これで私がシャワーを浴びて、部屋に戻ったらお金が無くなっていて……。そして彼も居なくなっている。それくらいの気持ちでいた。

 だって、どうせ私はまた一人になる。
 誰かの都合の良いお人形さんにまた戻るのかな。
 シャワーを終え、髪の毛を乾かし、部屋に戻る。

 凪は――。
< 23 / 186 >

この作品をシェア

pagetop