マリオネット
 あれっ!?寝てる?
 ソファの上で猫のように丸まって寝ていた。

「凪、起きて」
 私が揺らすと彼はすぐ目覚めた。
「あっ、ごめんなさい」
 目を擦っている。

「いいよ。歯磨きした?凪のやつ、青い色の歯ブラシ、出しておいたから。歯磨きしたら寝ようか。昨日のこともあるし、疲れたでしょ?」

「ごめん。ありがとう」

 彼は洗面台に向かった。



「えっ!俺、陽菜乃さんと一緒に寝るの?」
 俺はソファで寝るからいいと彼は遠慮した。

「ダメ。ご主人様命令」

「わかりました」
 渋々納得させ二人で寝室に行き、布団に入る。

「ベッドで寝るのも……。家の中で寝るのも、布団の中で寝るのも久しぶりだ」

「寝れそう?」
 私もセックス以外で男性と寝るの久しぶりだな。

「うん。寝れそう」

「おやすみ。あっ、明日はアラームかけてあるから、私を起こすことから仕事だからね」

「はい、わかりました」

 私は目を閉じる。
 この生活はいつまで続くんだろう。凪、私が起きた時にはもう居ないのかな。居なくなっている、さっきからそんなマイナスなことしか考えられない。かなり歪んじゃったな。


<ピピピピ……ピピピピ……>

 アラームの音がした。スマホを止める。もう起きる時間だ。

 あれ?隣に寝ているはずの凪がいない。
 そうだよね、もうどこかに行ってしまったんだろう。
 まぁ、こうなることはわかってたし。
 たった一日だったけど、懐いていた野良猫がいなくなってしまったみたいで、少し寂しかった。
 もう一回寝よう。そう思い、目を閉じた。

「陽菜乃さん、起きて!朝だよ!」

「んん……。もうちょっと……」

 んっ?あれ、凪の声がする。
 目を開けると、ベッドサイドに座っている彼の姿が見えた。
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