マリオネット
彼の話はまだ続いた。
「施設で暮らしてたけど、高校生の時、好きな子ができた。その子も俺のことを好きだと言ってくれた。高校卒業したら、同棲することになって。俺が働いて稼いで、彼女は大学に行って……ってそんな感じ。だから、俺もその子と十年近く付き合ってたことになるかな。彼女も社会人になって働くようになって、普通の毎日を過ごしてた。俺が派遣の仕事で三日間くらい家を空けることになって、いつも通り帰ったら、家の中は空っぽだった。俺の荷物しか残ってなくて。ただ手紙が置いてあった。<他の人と結婚することになりました。ごめんなさい>って。こんなこと本当に起きるのかと思ったけど。アパートも当月に引っ越す予定にされててさ。家事とか支払い関係は、彼女がやってくれてたから、俺のお金は全部彼女に渡してた。手紙と一緒に残ってたのは、十万だけ。すぐに無くなったよ。住む住所がなくなったから、どこも雇ってくれないしさ。まぁ、それで人生どうでもよくなって、あんな生活してたわけ。俺は本当にもう死んでもいいと思ってた。そんな時、陽菜乃さんが俺を助けてくれた。だから、俺は陽菜乃さんのためにもう一度生きるって決めた。まだ、信じてもらえないかもしれないけど。信じてもらえるように、頑張るよ」
彼の真っすぐな瞳。
そんなこと言わないで。
あなただってどうせどこかに行ってしまうんでしょ?期待させるようなこと言わないでよ。
そう思ってしまうのは、私の心が汚れているからだと思う。
「施設で暮らしてたけど、高校生の時、好きな子ができた。その子も俺のことを好きだと言ってくれた。高校卒業したら、同棲することになって。俺が働いて稼いで、彼女は大学に行って……ってそんな感じ。だから、俺もその子と十年近く付き合ってたことになるかな。彼女も社会人になって働くようになって、普通の毎日を過ごしてた。俺が派遣の仕事で三日間くらい家を空けることになって、いつも通り帰ったら、家の中は空っぽだった。俺の荷物しか残ってなくて。ただ手紙が置いてあった。<他の人と結婚することになりました。ごめんなさい>って。こんなこと本当に起きるのかと思ったけど。アパートも当月に引っ越す予定にされててさ。家事とか支払い関係は、彼女がやってくれてたから、俺のお金は全部彼女に渡してた。手紙と一緒に残ってたのは、十万だけ。すぐに無くなったよ。住む住所がなくなったから、どこも雇ってくれないしさ。まぁ、それで人生どうでもよくなって、あんな生活してたわけ。俺は本当にもう死んでもいいと思ってた。そんな時、陽菜乃さんが俺を助けてくれた。だから、俺は陽菜乃さんのためにもう一度生きるって決めた。まだ、信じてもらえないかもしれないけど。信じてもらえるように、頑張るよ」
彼の真っすぐな瞳。
そんなこと言わないで。
あなただってどうせどこかに行ってしまうんでしょ?期待させるようなこと言わないでよ。
そう思ってしまうのは、私の心が汚れているからだと思う。