マリオネット
「嫌な夢でも見たの!?泣いているよ」
 あっ、本当だ。涙が出てる。
「うん、嫌な夢を見ちゃった。夢で良かった」

「大丈夫?」

 凪が私の頭を撫でてくれる。
 撫でられるのは嫌いじゃない。
 
 私は立ち上がり、凪の腰に手を回し
「ご飯のところまで連れて行って」
 小さい頃に友達としていた電車ごっこの状態で彼について行く。

 彼は少しも嫌がらずに
「わかりました、ご主人様」
 そう笑いながら歩き出す。

 こうして見ると、凪って身長高いんだ。
 相変わらず、腰回りが細すぎだけど。

「うわぁ、おいしそう!」
 彼が作ってくれたのは、ハンバーグだった。
「俺も今まで家事とかしない方だったから、陽菜乃さんが仕事している時は料理の勉強とかちゃんとするね」
 いや、これだけ作れればすごい方だと思う。お味噌汁もインスタントではない。サラダもあるし。

「いただきます!」
 あっ!おいしい。下味もちゃんと付いている。

「お世辞じゃなくて、おいしいよ!合格!」
 こんなおいしい物、毎日食べてたら太っちゃうかも。
「良かった」
 作った彼も安心しているみたい。

 二人でしばらくテレビを見ていた。
 時計を見ると、いつもならもうお風呂に入っている時間。
 
 私は、明日の予定について彼に伝えた。
 凪の仕事は、朝私を起こしてご飯を作る。私が仕事に行った後は、掃除と洗濯。あと夕ご飯の準備。
という指示を出し、空白の時間は、彼の好きなようにすればいいと伝えた。
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