マリオネット
 彼も口の中で応えてくれ、舌と舌が絡まり合う。
 唇が唾液で湿っていく。

「はぁっ……んん!」
 気持ち良くて、声が我慢できなくて。漏れてしまう。
 あれ、こんなにキスって気持ち良かったっけ?

「……。陽菜乃さんの舌、温かくて、柔らかくて気持ちいい」

 お互いを確かめ合うように、求め合う。
 どうしよう。身体が熱い。
 落ち着くどころか、もっと気持ち良くなりたいと思ってしまう。

「もっと陽菜乃さんのこと、気持ち良くしていい?嫌だったら止めるから」

 欲というものに負けてしまった私は「うん」と返事をした。

 彼は、私の耳をペロッと舐めて、吸った。
「んぁっ……」
 なんだろう。
 優しくしてくれているのが伝わってくる。彼の吐息が耳にあたって、ゾクゾクしてしまう。

 そして
「もし、痛かったり、嫌だったら言って?」 
 彼に耳元で囁かれる。
「もっとして欲しかったら伝えて。気持ち良かったら反応して」
 耳にキスしながら彼はそう言ってくれた。

「んんっ!」
 吐息が触れて、くすぐったい。

「俺には演技しなくていいから」
 さっきの私の話、覚えてくれてたんだ。
「うん」
 さっきまで猫のようだと思っていた彼が、急に私の中で大人の男性に変わった。
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