マリオネット
「そう言えば、今度会社の飲み会あるじゃん?その時、藤崎先輩に坂本ちゃんの彼氏、紹介すれば?マウント、マウント!さっきの言い方、ムカついたんでしょ?ちょっとした腹いせってことで」

 坂本さんの彼氏を私に紹介?

「あっ、それいいかも!私、彼に迎えにきてもらおう!藤崎先輩に私の彼氏ですーって見せつければいいんでしょ?どんな顔するかな?別に気にしないって雰囲気出して、羨ましいとか思うのかなー?楽しみ!」

 私に見せつける?
 悔しいって想いをさせたいのかな。
 子どもっぽい考え方。
 忘れてたけど、二日後に中途採用で入って来た子の歓迎会があるんだった。一応、顔出そうと思っていたけど。あぁ、そんな話聞いたら気が重い。

 私だってちょっと昔みたいにウィッグ付けて化粧厚くして、ミニスカートでも履けばあの子たちに負けないのに。

 いやいや、こんなことで張り合ったって何の意味もない、バカみたい。
 ていうか、早くトイレから出て行ってくれないかな。

「どうせ、藤崎先輩の彼氏になるような人なんて、すごく年上の清潔感のないおじさんか、もしくは、ヒモ男なんじゃない?」

 プツンと私の中で何かが切れた。

「何それ!?付き合っている方が謎なんだけど」

 アハハハと大笑いをして、彼女たちは出て行った。
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